掃除の知恵

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押尾学から延焼する黒幕たち の2
2008年05月02日
「花月会」の群像(3)
 群像(1)で書いた花月会関係者で、伊藤作之進のあと「花月会で幅を利かせていたのが中野会幹部で山口組3代目田岡組長のときの若頭であるYだ」と書いた。しかも憶測でこのYを「山脇」に付会して断定したような記述になってしまったが、山脇の履歴についてはここで以前に書いているとおりだ。田岡一雄のときの若頭は山健組の山本健一であり、山本とドン氏は親しかったが、賭博ゲーム機やパチスロメーカーに直接関わったという立証はない。ましてや中野会は当時、その山健組の2次団体で、中野会には確かに山下重夫という若頭がいた。Yであるが、これも確証はない。なお、ハンナンの浅田満の実弟(三男)が山健組の組員だったという話を聞いたことがある。少なくとも昭和40年代から50年代初期にかけて、関西を舞台に賭博ゲーム機やジュークボックスなどのゲームマシンが風俗営業店や飲食店との関係から、山口組関連の収益構造に組み込まれていたかもしれないことは容易に想像がつく。そこでゲーム機リース販売業に入った人間も彼らとのあるていどの結びつきを深めることになったというのが、歴史の真実なのではないか。

 なお、このYという人物は、ある有名な事件(グリコ・森永)の実行犯と言われているのだが、それが山口組のからんだ刑事事件なのか、経済事件なのかは闇の中だ。過去の取材のときにもっと詳しく聞いておくべきだった。あのときはとにかくもパチスロ関係者の相関図に固執していてスルーしたことが悔やまれる。ただし、この事件のときも、Yに対する捜査で花月会(検察・警察)の圧力がかかっている。

 花月会は、大相撲大阪場所(春場所)千秋楽の翌日の月曜日、料亭の花月で検察主流派、キャリア組と国税庁キャリア、住友銀行幹部の会合として開かれた。翌火曜日には大阪府警などの警察幹部とキャリアOBの定例会が開かれていた。住友グループ系のゴルフ場での親睦コンペも開かれていたようだ。先の則定衛(のりさだ・まもる)も検察主流派としてこの花月会メンバーの一人だったことは「噂の真相」でも報道されている。伊藤作之進の娘が先代九重親方、すなわち千代の山のタニマチ。この娘が伊藤の長女だとすれば、ドン氏の伴侶になるわけだ。ちなみにドン氏のイニシャルはA。

 花月会による事件への圧力は許永中のイトマン事件でも働いた。イトマン事件ではその伊藤萬のメインバンクが住友銀行で、その再生に住友グループが大きく関わっていたことは前回に書いた。ところがイトマン事件の捜査の手が住友や竹下登にまで伸びたとたんに、花月会の検察官僚による捜査中止の圧力がかかっているのである。裏で動いたのが熊取谷稔だという説もある。つまり当時の熊取谷は政官財界のフィクサーとも言われて財閥企業とも関係が深かった。住友に捜査の手が伸びる前に、花月会検察キャリアを使ってもみ潰すのはわけのないことだっただろう。おそらくここで、花月会との関係も深くなったのではないか。全国共通パチンコプリペイドカードを仕掛けたとき、熊取谷がその第三者決済カード会社に三菱、住友を巧妙に巻き込んだことを例にあげるまでもない。なお、それ以前、熊取谷はコスモワールドという母体経営企業のグループ会社として、自動雀卓とパチンコの台間サンドメーカーで不振に陥った「アイラブユー」という会社を買収して、「コスモイーシー」を立ち上げている。

 (酒を飲みながら書き込まないとやってられない)

 ここで資料を再度調べなおしていたら、忘却していたとんでもないものに邂逅した。則定は平成11年にスキャンダルがもとで検察庁を辞めているが、このあと東京の京橋にあった日本リスクコントロール?の顧問になっているのである(前々回書いた則定法律事務所も運営)。この会社の代表取締役社長が寺尾文孝。パチスロの電遊協(電子遊技機工業協同組合・同じ京橋のビル)専務理事で警視庁OB。理事長の小林朴も日本リスク社の元顧問でエマの前身であるパル工業にも顧問でいたという話もある。元警察庁刑事局長。もちろん、電遊協はエマが主体で立ち上げたパチスロの第二団体である。

 則定事件の根は深い。日本の腐敗の温床なのかもしれない。このあと書くつもりのミニ・ロッキード事件と呼ばれ、ライブドア事件との相似がいわれている過去のナミレイ事件なども同様だ。ここにオウム、統一教会などの話までからむと、僕の限界をはるかに超えてしまうし、本来の自分の領域を見失って蟻地獄だ。迷路にはまりこまないようにしたい。

 当時の都知事選に関して平成11年に、則定スキャンダルにからめた「週間ポスト」の記事がある。自民党の白川勝彦(当時)、栗本慎一郎、舛添要一、熊取谷とその部下らが関わった1000万円ヤミ献金事件記事だ。ポスト誌はここで、法務省中枢筋の話として、このとき則定をはじめとする本省派が統一地方選挙後の捜査開始を睨んで、極秘の内偵を始めようとしており、そうなれば「熊取谷氏の政官界人脈が明らかになる。熊取谷氏と親しい与党大物政治家の関与も視野に入れていた。が、則定氏が失脚すれば、捜査は先送りされるか、中止になる。仕組まれた」というのだ。
 これが真実なら、則定スキャンダルは熊取谷らによる則定失脚のための落し穴だったことになるではないか。ちなみにポストの「与党大物政治家」というのは亀井静香か。

 その後、業界で余暇進(余暇環境整備推進協会)という団体が設立されるが、これを仕掛けたのが熊取谷とその関係業界人たちだ。この団体に白川勝彦が設立当初に顧問で入っている。現在の余暇進の会長は業界代表ではなく、警察キャリアの大物OBである宮脇磊介である。

 則定女性スキャンダルについて、平成11年4月の参議院法務委員会で当時の中村敦夫議員が国会質問している。以下、長くなったので、その質問内容の一部を紹介して今回は終わりたい。

 「今回の問題は女性スキャンダルというプライベートな問題を発端に出てきてこれだけ大きくなった原因というのは、その背景にある政官財癒着という構造が見えてきたからであると私は考えております」、「検察幹部と民間業者の親睦団体である花月会というものがあります。これは実質的には住友銀行グループと取引業者、こういう人たちがスポンサーになっているわけです。このグループは構造的にいうともう大蔵省官僚の接待グループとダブっているというところに今回の問題の本質があるんではないか」、「則定さんを中心にバックアップをしたいというファンといいますか取り巻きといいますかそういう人々の中で、花月会にも出入りしていた通産省官僚のスポンサーと言われていた石油卸商の泉井純一さん、この人とも交流があったと言われています」。
 この泉井の関係で登場しているのが「日本肥料」。関西空港にからむ増収賄事件にもからんでくる。
 
http://blog.livedoor.jp/sequence777/archives/51000738.html


2008年05月06日
「花月会」の群像(4)
 前回ふれた日本リスクコントロール社について。平成11年に寺尾と元中国管区警察局長(退官後、全防連専務理事も務めた)保良光彦の2人で設立された。寺尾は元警視総監で法務大臣だった秦野章の秘書も務めたがその傍ら、自分で不動産会社を営んでいたことがある(倒産させた)。いわば企業を闇社会から守るためのプロ集団で、警察OB、国税庁OB、則定などの検察OBによる利権会社の性格が強いものだった。すなわち企業の危機管理コンサルティング会社だ。則定がここに顧問で迎えられたのはスキャンダルのあと辞任してすぐである。

 これも「噂の真相」ですっぱ抜かれているが、寺尾を一躍有名にしたのはイトマン事件発覚のきっかけとなった「雅叙園観光」の内紛だ。雅叙園系列会社の副社長に送り込まれた寺尾は「雅叙園株の買占めを進めていた仕手集団と渡り合い、当時のマスコミにヒーローとして持ち上げられた」(噂の真相)。この仕手集団が元暴力団組長・池田のコスモポリタンであることは言を待たない。コスモポリタンと許永中の関係についてはすでに書いた。

 さて、日本リスク社の最高顧問として則定が名を連ねていることは前回に触れた。当時の名誉顧問にはミスター危機管理で有名な初代内閣安全保障局長の佐々淳行がいた(噂の真相報道前後に辞めている)。このとき、スキャンダルで辞任後、日本リスク社顧問職とべつに則定衛は、千代田区平河町に則定法律事務所を開設して活動を始めている。平河町1丁目9番9号のビル。ここに「?ジェイ・エス・エス」という会社もあった。警備、海外における企業活動に関する安全対策調査・コンサルティング、リスク管理が主の会社で、JALの出資で設立された会社だが、業界にもおなじみである。すなわち過去におけるアルゼとの関係が深い企業だ。とうぜん亀井静香がこの会社設立と運営で深く関わっていた。

 この同じビルに?ジャパン・セキュリティ・サポートという会社もあった。当時、僕の知り合いのマスコミライターがこれを調べていて、そのビルの不動産謄本なども送ってもらったのだが、業務目的と内容はジェイ社と全く同じ。取締役の鶴谷敏明、前田寛、永田岱右なども同じで、ジャパン・セキュリティ社の監査役には、亀井静香夫人が登記され株も所有していたのである。ジャパン・セキュリティ・サービスすなわちイニシャルをとって、これが後のジェイ・エス・エスに登記変更される。

 で、このビル不動産所有者は?サンパワー。アルゼの当時の子会社だ。取締役にここでも以前に書いた(中日スタヂアム事件)江口の兄弟であるアルゼの江口敏男と、岡田の愛人の一人とも言われた速水靖子の名前がある。同じ役員の一人である宮島猛も長野時代からの岡田の関係者だ。つまり、この頃まではまだ、岡田は亀井静香の権威と警察への圧力をフル活用していたといえるだろう。とうぜん、先の日本リスク社との関係も亀井ルートで結びついていたと思われる。
 このジャパン・セキュリティ・サポート(設立は平成6年)は平成11年5月20日に登記記録が移記されている。ジェイ・エス・エスへの移記登録だ。登記履歴における「目的」の業務内容がまったく日本リスク社とも類似しているのは、たんなる偶然とは思えない。平成12年に日本道路公団の交通管理業務、関西空港警備受注で、このジェイ社とジャパン・セキュリティ社、亀井の関与が大きく新聞報道されたことがある。しかしながら、ジェイ社−亀井−ジャパン・セ社−岡田、さらに→則定−日本リスク・コントロール社の関係はうやむやのままである。

 花月会、さらに則定の関連でもつれた糸を振りほどいていっていたら、こういう過去の利権の巣窟と当時の事件がいくらでも出てきて、整理できずに混乱する方が多い。だが、そのときは「そういうものか」と気にもとめなかった事柄がすべて連関して結びついてくるのが面白い。僕らの仕事の、ある意味ではゲーム感覚に近い“醍醐味”ともいえる。業界の中だけでこんな書き込みをしていても、この面白さは体感できないだろう。こういう感覚は、業界という規矩に縛られて仕事していると「これから先は俺たちの分野ではない」と切り捨てていたのだろう。裏の裏までは取材していなかったのである。でも実はその裏側のほうが業界のリアリズム、脈絡のアリバイの部分だったのかもしれないと、あらためて痛感せざるをえない。

 さて、ここで泉井石油商会関連の「日本肥料」と熊取谷、花月会の関係についての宿題が残ったままになっているので、書いておかなければならない。これをもって、一応は「花月会の群像」については終了とさせていただくことになるか。(ナミレイ事件は別にまた書き込むが、一部関連してくる)

 泉井事件は旧通産省官僚グループへの贈収賄だが、その中で関西空港の服部経治元社長への贈賄・脱税容疑で逮捕されたもので、これが通産官僚とその政治家への献金としてクローズアップされた。則定以前の花月会関連事件といっていい。関空の清掃業務受注にからむ金品贈賄もその事件の中核で、日本肥料取引先の岸和田リバー産業グループがこれにからむ。

 則定事件で登場したのがコスモイーシーの佐藤章と、もうひとりこの泉井石油商会(大阪府和泉市)の経営者一族のMという人物だ。花月会の主要メンバー。ちなみに日本肥料は住友系肥料・農材特約店老舗。つまり花月会がその住友銀行などの住友グループ企業がバックアップして出来たロビインググループだった。日本肥料がその花月会に参加してきた時期も早い。このMが、花月会に参加していた則定のために新たに東京に「若富士会」という、花月会東京支部ともいうべき集まりを作る。ちなみに、パチンコプリペイドカード導入のさいに、熊取谷はコスモイーシーから5000万円を亀井に政治献金している。この金を亀井に手渡したのが佐藤章だ。

 関空清掃事業では、泉井の下請け業者(6社)のまとめ役として大幸工業(産廃業者)を送り込んだが、清掃費15億円のうちの1億円をこの大幸工業が丸投げで不正取得していた。この大幸工業に勤務していたかのように装い、保険料を不正取得していたとして大幸の社長が逮捕される。勤務していたことを装っていたのが山口組直系暴力団の小車誠会・会長だ。
 下請け6社のなかにマイカル(旧ニチイ)が親会社の「ジャパンメンテナンス」という会社があった。ここの社長が元関空会社専務で元大阪府警本部長の四方修だ。これは当時かなり有名になったので、記憶に残っている。おそらく四方と大幸工業社長との出来レースだった。

 この四方が社長のジャパンメンテナンス社には、右翼の大元といわれた頭山満の大番頭であるNが顧問で在籍していた。Nはその前がナミレイの顧問。これが右翼ともエセ右翼とも言われる所以だが、ナミレイの松浦良右(りょうすけ・現在は改名して朝堂院大覚)とNとは、福岡のフクニチ新聞時代からの関係。Nは「元警察庁長官」という記述もあるが、これはどうかわからない。なにせ佐藤章をダイナムも経営していたという(取引関係はあったが)強引な誤謬を犯している資料にそう記述してあるのだから眉唾かもしれないのだ。ただ、Nと松浦が親しく、ナミレイ顧問→ジャパンメンテナンス顧問を経たということは僕も当該関係者から過去に聞いている。頭山満の番頭だったことも間違いはない。

http://blog.livedoor.jp/sequence777/archives/51005426.html



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