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24日のお届けものそして、約束の日。
2005年3月の初め。
3月とはいえ、まだ寒い日でした。
指定された場所で彼を待っていました。
こちらに向かって歩いてくる彼は幾分やつれているように見えました。
そして暗い厳しい表情でした。
やっぱり怒っているんだと思うと、とても怖くて、逃げ出したいくらいでした。
やがて、近づいて側に来て、顔を合わせても、ニコリともせずに、
「食事の前に、話したい事があるのでちょっと来て下さい」
と言うなり、歩き出しました。
いつもと違う方向です。
どこに行くのでしょう?
こうなったら、ついて行くしかないと覚悟をきめて、彼の後を急ぎ足で歩いて行きました。
この辺りで話をしましょうと、ブランコと滑り台くらいしか遊具が無い近くの小さな公園です。
春には少し間がある夕暮れ時なので、寒いせいもあって、人通りはほとんどありませんでした。
だけど、こんな場所でいいのでしょうか?
知っている人も多いだろうに。。。
彼は自動販売機で暖かいお茶を買って渡してくれました。
それを握りしめて、うつむいている私をベンチに座らせて、
でも、厳しい口調で、
「あなたは、とんでもない事をしてくれたね。」
と切り出しました。
ああ、やっぱり。
電話をしたのがいけなかったんだ。
あんなに電話はしないで、と言われてたのに電話したんだもの。
もう遅いよね、これで終わりなんだ。
涙が出てとまりません。
「帰る。」
と言って、立ち上がりました。
もう、終わったんだ。
もうこれからは彼と会う事は
無いのだ。
そう思うと、
頭の中が真っ白になって。
ふらふらと歩き出したら、
彼が
「待って。」
と言って、抱き止めました。
「違う!帰らないで。何でここに来てもらったか、考えて。」
と言って抱きしめるけど。
解らない。
もう、駄目だ、終わったんだという事が頭の中をぐるぐる回ってて・・・
何も考えたくない・・・
彼が何かを言ってるけど、わからない。
聞きたくない。
耳を塞いで、ただ泣いていました。
彼はそんな私をしっかり抱きしめて、頭をなでてくれました。
ずっとなでていました。
私が落ち着くまでずっと。
そして、私の手をゆっくり耳からはずすと、
彼は話しだしました。
「あなたの事、嫌になって、終わりにしたかったらこうやって会わなくてもいいよ。
何で、来てもらったかを考えてよ。
僕の事をもっと、解ってほしかったからじゃないか。
どうして連絡できなかったかを説明したかったし、あなたからの電話がどれほど自分を混乱させたか解ってほしかったし。
これからもこんな事があるかもしれないけど、ずっと、付き合ってほしいから。
あなたとの関係を壊したくないし、大切に思うから、こうやって直に会って話をしたかった。」
私がわかるようにと繰り返し言います。
ずっと抱きしめたままで。
どういう出来事があって連絡が出来なかったのかも、説明してくれました。
その内容はここには書けませんが、彼にとってとてもショックな出来事があったのでした。
いくら説明されても、何故、彼はそれを電話で言えないのか、その時は理解できませんでした。
電話が出来ないのはどうしてなの?という疑問がいつまでも残りました。
だけど、私が「うん」というまで、決して放してくれそうもないということは分かりました。
必死なんです。何故か。
私という人間が、何故彼にとって必要なんでしょう?
それも解りません。
だけど、今は必要なんですね。
その必死さだけは、痛いほどわかります。
だから、解った、と言うしかない。
「解った・・・、これからも、ずっと友達でいていいなら、私はそれで充分幸せだから。でも、それで、いいの? 私はあなたをどんどん好きになって、今度のようにあなたを困らせるかもしれないのに、それでも、いいの?」
と尋ねると、
「それでもいい。ずっと、付き合って下さい。お願いします。」
って言って、頭を下げる。
解らない。
彼は何を考えているの?
けれど仕方がないから「解りました。」と言いました。
後で考えよう。
その内に解ってくるだろう。
今は終わりの時じゃないんだね。
私が頷くと、彼は嬉しそうなほっとしたような何だかとても明るい表情になってます。
私はまだ悲しくて、彼を困らせてしまった自分が情けなくて、複雑な気持でしたが。
そのあと、近くの居酒屋さんに行って、楽しく(彼はほんとに嬉しそうでした。)食事をしました。
私といえば、いっぱい、疑問が残りましたが、たぶんそのうちに解るだろうと、そんな予感がしました。
この人とは分かり合える。たぶん。
分かり合えるまで、諦めずに話をする人だから。
彼がすっかり明るい表情になっていたから。
それだけで、もういいのです。
だけど、この1ヶ月あまりの私の混乱をこの人はわかってくれてるのでしょうか?
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電話の件に関しては、そのあと次第に事情が解ってきました。
彼を理解するのは、実はなかなか、大変な作業だったのです。
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